曲がるスライスサーブのコツがつかめる練習方法




今回はスライスサーブを簡単に習得する方法について解説していきます。スライスサーブを全く打てないか、一応打てるもののあまり曲がらない人が曲がるスライスサーブを打つコツをつかむための練習方法になります。

スライスサーブは、トップスピン量を抑えれば、エースも狙えるファーストサーブ向きの攻撃的なサーブになりますし、トップスピン量を増やせば、フォルトしにくいセカンドサーブ向きのサーブになり、非常に使い勝手の良いサーブです。

特に左利きの選手であれば、横に大きく曲がるスライスサーブは、全人口の約9割を占める右利き相手に対して非常に有効で、武器にしていきたいサーブになります。




「マレー選手のスライスサーブ」オーストラリアンオープン公式チャンネル 2016年準決勝 マレー対ラオニッチ戦 より(10:0201~10:02:21)
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横に曲がるスライスサーブを習得する方法

 

 

 

この方法では、低い打点からフォアハンドスライスに近い形で下回転をかけて打つ所から、徐々に打点を高くしていく事でスライスサーブのコツをつかんでいきます。

フォアハンドスライスが打てない方は、そちらの練習を先にしてみてください。

実際にボールを打っていく前に、腕を直角に曲げた状態で、肘から先を時計回りに動かすと、自然と手の平が下を向いていき、反時計回りに動かすと手の平が上を向いていくことを確認します。(当サイトで言うところの「見かけ上の回内、回外動作」になります。)

手の平がずっと上を向いて動かない場合、手を固定するために余計な力が入ってしまっていますので、腕をリラックスさせるようにしてみてください。

自然と手が回転する動きが確認出来たら、この動きを使い、下回転をかけてボールを打っていきます。


ラケットの持ち方は、コンチネンタルかそれ以上薄いグリップで握ります。(上の動画では、コンチネンタルで握っています。) 握りは薄いほど回転がかかりやすいです。コンチネンタルよりも厚いグリップだと強い回転をかけるのが難しくなります。

左利きの方は、横回転が強くかかったスライスサーブが非常に強力な武器となりますので、薄いグリップ(バックイースタン程度)をおススメします。


下回転をできる限り多くかける事を意識してボールを打ってみてください。ボールの軌道は気にしなくても大丈夫ですので、回転量を多くする事に集中してください。(この際、サイドスピンがかかってしまっても問題ありません。)

本当は手の平が下を向く方向に回転している途中でボールを打つのですが、これだと下回転をかけるイメージが分かりにくいと思います。ですので、まずは、手を固定した状態でボールを打って、打球後に手の平が回転していくイメージで打ってみてください。

何度もボールを打って余計な力が抜けてくれば、自然と手が回転している所でボールを打てるようになるはずです。



回転を多くかける感覚がつかめてきたら、同じ腕の使い方で、徐々に打点を高くしていきながら、回転をかけボールを打っていきます。この際、打点を高くするほどラケットを立てて(地面と垂直に近づけて)いきます。

こうすると徐々にボールの回転方向が変わっていくのが分かると思います。

スライスサーブの打ち方だと、インパクト時のガットの横糸とほぼ平行の向きにボールが回転します。右利きの場合は、横糸と平行に右方向、左利きの場合は、左方向に回転します。

ですので、ラケットが地面と平行に寝ていると主に下回転がかかります。ラケットを地面と垂直に立てるにつれ、下回転が減り、横回転の量が増えてくることになります。ラケットが地面と垂直に立つ位置でほぼ純粋な(トップスピンのほぼない)横回転を打つことができます。これがスライスサーブの打ち方になります。

しばらく下の方から打点を上げていく練習を繰り返し、強い横回転をかける感覚をつかんでください。コースは気にせず回転量を多くすることだけに集中してみてください。

 

なお、純粋な横回転に近い(トップスピンの少ない)スライスサーブを打とうとすると、打点は、フラットサーブと比較し、かなり右の方になり、トスもフラットサーブの時より右の方に上げる必要があります。

理想はフラットサーブと同じトスでスライスサーブも打てることですが、それには、ジャンプし、左右の肩を結んだ肩のラインが傾いた状態で打つ事がほぼ必須になります。(フラットと同じトスでスライスサーブを打つ方法について詳しくは、別記事で紹介予定です。)

ジャンプせず、両足が地面に着いた状態で打つ場合は、フラットサーブと同じトスではスライスサーブを打つのは難しいので、最初は、同じ位置にトスをしようとせず、右にトスを上げてください。


横回転をかけるコツがつかめてきたら、低い打点から始めるのをやめ、高めの打点で横回転をかける練習だけをしていきます。

まずは、コースは気にせず、横回転を多くかけることだけに集中してみてください。いきなりサービスボックス内に収めようとすると回転をかけるのが難しくなります。

途中で回転がかからなくなってきたら、また低い打点で下回転をかける練習に戻り、そこから徐々に打点を上げてみてください。回転をかける感覚を取り戻せるはずです。

横回転がしっかりとかけられるようになってきたら、あとは、ボールをサービスボックス内に入れる練習をしていけば、曲がるスライスサーブをしっかりと打てるようになります。






トップスピンをかけたスライサーブを習得する

この方法を応用すれば、トップスピンのかかったスライスサーブ(トップスライスと呼ばれることもあります。)を打つことも簡単にできるようになります。


やり方は簡単で、横回転だけをかける時よりも、打点を左上にし、インパクト時のラケットの向きを左に傾けるだけです。

ラケットの横糸と平行の方向がボールの回転方向になりますので、例えばラケットが左に45度ほど傾いていれば、ボールの回転方向が右上に45度傾くことになり、トップスピンと横回転がほぼ同じ量かかる事になります。

もう少し、トップスピンを減らし、横回転を増やしたければ、ラケットをもう少し立てます。逆にもっとトップスピンを増やしたければラケットを更に寝かせます。

最大限ラケットを寝かせれば、この打ち方でもかなり強いトップスピンをかけることが可能です。

上手く回転がかからなければ、また低い打点で下回転を多くかける練習に戻り、徐々に打点を上げてみるようにしてください。



今回の重要ポイント

○低い打点で下回転をかける所から徐々に打点を上げることでスライスサーブのコツがつかめる。

○コンチネンタルかそれ以上に薄いグリップで握る。

○まず、低い打点で下回転をできる限り多くかける練習をする。

○低い打点でラケットが寝た状態で打つところから、徐々に打点を上げる共にラケットを立てていく練習を繰り返す。

○慣れてきたら、低い打点から始めるのを止め、高い打点で横回転をかける練習を繰り返す。

○さらに、打点を高くし、ラケットを左方向に寝かせて打てば、トップスピンのかかったスライスサーブも打つ事ができる。