さらに足の力を活かすための3つのポイント 足を使ってサーブを速くするには part 2




「さらに足の力を活かすための3つのポイント 足を使ってサーブを速くするには part 2 」解説動画

 

今回の動画では、前回から引き続き、足の力によりスイングスピードを上げるために必要なポイントを紹介していきます。前回紹介したことがある程度できるようになってから、今回紹介することに挑戦するようにしてみてください。
まだ前回の動画をご覧でない方は、概要欄のリンクよりそちらの動画を先にご視聴なさることをオススメします。


今回紹介するポイントは3つあります。



1つ目のポイント、ヒザを大きく曲げる
当然ながら、ヒザは大きく曲げるほど、より強く地面を蹴ることができるようになります。選手によってある程度差はありますが、トッププロだと両足共に90度程度ヒザを曲げる選手が多いです。上のレベルを目指すなら素人でもこれくらいの曲げ方を目標としていきたい所です。

ただ、ヒザの曲げ方を大きくするほど、体力も多く奪われます。シニア選手の場合ですとトップレベルでもあまりヒザを曲げずに打つ方が多いので、ご年配の方でしたら、あまり足を使わずに体力を温存する方がおススメです。


なお、サーブで足を曲げる時には、トスを上げたボールの動きに集中しているうえ、少しひざを曲げただけでもボールとの距離感が大きく変わるため、自分ではヒザを大きく曲げているつもりでも実際には少ししか曲がっていない事が多いです。

どの程度ヒザが曲がっているかは自分では中々分かりにくいので、動画を撮って確認してみることをおススメします。



2つ目のポイント、両足の力を使う

「右足だけを使うように」や「左足だけを使うように」というアドバイスをよく見かけますが、プロレベルで片足しか使わない方はまずおりませんので、これは明らかに間違いで、両足を使う必要があります。


こちらも自分の感覚だけではできているかどうか判断しにくいため、動画を撮影して確認してみてください。

ただ、自分のフォームをビデオで見ても、足の力を使えているかどうか判断するのは、中々難しいと思います。そこで次のポイントをそれぞれの足が使えているかどうか判断するための目安にしてみてください。

左足の力が使えているかどうか:ジャンプした高さで判断してください。特に左腰がどの位高くなっているかを見ると分かりやすいです。トッププロだと低めの選手でも10cm程度、高めの選手だと20cm以上飛んでいます。

右足の力を使えているかどうか:サーブを打った後、右足が跳ね上がる動きがあるかどうかで判断してください。右足が使えていればボールを打った後、ワンテンポ遅れて右足が跳ね上がる動きが起きます。これは伸張反射と呼ばれる現象によるものです。

伸張反射とは、筋肉が受動的に伸ばされた時、縮もうとする反射の事です。この場合、ヒザを伸ばすことにより太ももの裏の筋肉が引き伸ばされた後、伸張反射で縮もうとするため、ヒザが勝手に曲がり、足が跳ね上がる動きになります。基本的には右足の力が強く使えているほど、右足が大きく跳ね上がります。(なお、左足の力を使っても、左足にこの動きがあまり見られないのは、着地に備えて筋肉を緊張させているためです。)

足の力の大きさだけでなく、その他の要素にも影響を受けるので、あくまでも目安ですが、体が全く浮いていない場合、右足が全く跳ね上がらない場合は、それぞれ、左足、右足の力が使えていないと考えられます。



 


3つ目のポイント、ヒザの曲げ伸ばしを素早く行う。


人の体は反動をつけた時の方がつけていない時よりも大きな力を発揮できることが知られており、素早くヒザを曲げて、すぐにヒザを伸ばし始めると、ジャンプを高くしたり、スイングスピードを速くしたりする効果が期待できます。

この画像のように、ヒザを曲げた状態(いわゆるトロフィーポーズ)で止まって、ボールを待つようにすると反動が使えなくなってしまいますので、ここで止まらないようにしてください。


これに関しては、プロレベルでもやっていない方も多いため、他の全ての要素を含めても確実にこちらの方が良いとまでは断言できませんが、より強く地面を蹴ることができるというプラスの効果があるのは確実ですので、テニス通ではこうすることを推奨しています。


足の力を使うのには、打点を高くする目的もある。

ここまでサーブのスピードを上げるポイントを3つ紹介しましたが、足の力を使うのには、それ以外に打点を上げる目的もあります。
打点が高ければ、フォルトをしにくくなりますし、より角度を付けることもしやすくなりますので、基本的には、打点は高ければ高いほど有利です。

「意図的にジャンプして打点を高くしようとしてはいけない」という意見をよく見かけますが、打点が高い事は、サーバーにとってかなりメリットがある訳ですから、これは明らかな間違いで、足の力を使って打点を高くしていく事も意識的にやっていく必要があります。

ただし、限界まで高くジャンプしようとすると、足の力を活かしてスイングスピードを上げることができなくなってしまいます。プロレベルでも跳ぶ高さにはバラツキがありますが、限界まで高く跳んでいる選手はまずいません。

様々な要素が絡んでくるため、どのくらいの高さが最適なのかは、具体的に言うのは難しいのですが、これまでに解説してきたスイングスピードを上げる方法を実践できる範囲内で、なるべく高くまで跳ぶようにするのが良いかと思います。