横に振られても安定して打てるフォアハンドのフットワーク





今回の記事では横に振られても安定して打てるようになるフォアハンドストロークのフットワークを紹介します。


横に振られた時に無理に止まろうとすると上半身がブレてミスが増えてしまうので、ショットを打つまでは、むしろ、なるべく足でブレーキをかけないようにする必要があります。(これについて詳しくは「足を止めて打つ意識がミスを増やす」の記事に書いてあります。)

 

今回紹介する「足を飛ばすステップ」、「ランニング移行ステップ」(当サイト独自の用語です。)では、ブレーキをかけることなく打てるので、これらを使えば、横に動かされた場合でも、ミスが少なくて済みます。

さらに、打った後、効率よく減速するための動きもセットになっているため、切り返しも速くすることができます。

 

 

足を飛ばすステップ 

「錦織圭選手の足を飛ばすステップ」(1:43:05~)
全豪オープン公式チャンネル 2015年 錦織圭対ニコラス・アルマグロ戦より
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「足を飛ばすステップ」では、まずは通常通りランニングステップを使い横に移動し、打球の前にオープンスタンスを作ります。

ボールを打つ前の最後の一歩で、右足を右方向に飛ばすように動かし、地面を蹴ります。(体全体では無く、右足だけを動かすようなイメージです。)

右足で地面を蹴ると自然と上半身が回り始めるので、それをキッカケにスイングを開始するようにします。

打ち終わった後に、右足でブレーキをかけます。右足を遠くに出したことで、効率よく減速する事ができるようになっています。

 

 

ランニング移行ステップ

「ロジャー・フェデラー選手のランニング移行ステップ」
ATPワールドツアー公式チャンネル 2014年 ATPツアーファイナル ロジャー・フェデラー対錦織圭戦より

 

一見するとただ走り抜けながら打っているだけに見えますが、これが「ランニング移行ステップ」です。

本当にただ走りながら打つだけだと、「上半身の回転を使わず、ショットの威力が弱くなる」か、「上半身の回転を使って安定しなくなる」かのどちらかになりますが、「ランニング移行ステップ」を使えば、動きながらでも安定して上半身の回転を使った威力のあるショットを打つことが可能です。

 

「ランニング移行ステップ」でも、まずは通常通りランニングステップで横に移動します。打球前、最後に右足で地面を蹴る前に体を捻ります。 (ランニングステップで移動すると、体が自然と横向きに(ネットと垂直の向き)になりますが、そこから更に体を捻ります。)

このステップでも右足で地面を蹴るのをキッカケにスイングを開始します。そのため、右足で地面を蹴るタイミングをスイングの開始と上手く合わせる必要があります。これがただ走り抜けながら打つ事との一番の違いです。

打ち終わった後は、最初に地面に着く左足でブレーキをかけるのではなく、その次に着地する右足でブレーキをかけます。

 


なお、当サイトでは、前方向に走りながら打つステップも同様に「ランニング移行ステップ」と呼んでいます。

 

 

 

一度これらのステップを覚えてしまえば、自然に適切な方のステップを選択できるはずですので、使い分けについては、あまり意識する必要はありません。

これらのステップが使えるのはまだ余裕がある場合の時です。もっと動かされた場合は、上半身の回転を使わずに打つ「ランニングショット」を使ったり、フォアハンドスライスを使うなどの対応が必要になります。

 

 

今回の重要ポイント

○横に振られた時に役立つのが「足を飛ばすステップ」、「ランニング移行ステップ」の2つ。

○「足を飛ばすステップ」は、オープンスタンスを作って使う。最後の一歩で右足を遠くへ飛ばす。右足で地面を蹴ると自然と上半身が回り始めるので、それをキッカケにスイングを始める。

○「ランニング移行ステップ」では右足で地面を蹴る前に体を捻ります。こちらも右足で地面を蹴るのをキッカケにスイングを開始する。右足で地面を蹴るタイミングをスイングと上手く合わせる必要がある。