フォアハンドハイボレー3 注意点





ここでは、フォアハンドハイボレーで特に注意するべき点を中心に解説していきます。前々回の記事「フォアハンドハイボレー 3種類の打ち方」からの続きですので、できれば、先にこれらの記事を読んでから今回の記事を読むことをおススメします。

また、全てのボレーに共通する打ち方、注意点などについては、「ボレーの打ち方 基礎」で説明しておりますので、まだご覧になっていない方は、ぜひこちらも合わせてお読みください。



当サイトでは、基本的に、ボレーのスイングを小さくしようと意識する必要はあまりないと考えていますが、フォアのハイボレーだけは、手を引きすぎないように注意する必要があります。

ハイボレーは高い打点で打つ、威力を出したいショットですので、どうしても手を大きく引きたくなってしまいます。しかし、実際には、手を大きく引いてもボールの威力は、ほとんど上がりませんし、スイングの軌道が不安定になり、ミスが増えてしまいます。

ただ、スイングが小さすぎると、今度は威力を出す事ができなくなりますので、適切な大きさでスイングをする必要があります。

実際にトッププロが、をどのように打っているか、次のフェデラー選手のフォアハンドハイボレーの動画(1:31:52のショットです。)でご確認ください。


「ロジャー・フェデラー選手による適切な大きさのフォアハンドハイボレー」
ブリスベン国際公式動画チャンネル 2014年男子ダブルス フェデラー&マユ 対 テカウ&ロジェ戦より
*埋め込み設定により動画の開始時間と終了時間を設定し、動画の一部のみを見れるようにしているため、「もう一回見る」のボタンを押すと、設定した開始位置からではなく、最初から動画が始まってしまいます。設定した箇所を繰り返し見る時は、再生バーで開始時間をクリックする、パソコンの「←」ボタンを使って5秒巻き戻す、このページ自体を再読み込みするといった方法をご利用ください。






フォアのハイボレーの打ち方

それでは、フォアのハイボレーの打ち方を具体的に解説していきます。


相手のボールに反応して体を右方向に回した後、フォアハイボレーでは手を引く動作はせず(テイクバックしない)に、手を肩よりも前、実際に打ちたい打点よりも高い位置でセットするようにします。

ラケットをセットした後で、体を回したり、もう一度ラケットを引いたりしないようにしてください。そうすると最初からラケットを肩より後ろにセットしたのと同じ事になってしまいます。

なお、トッププロが肩よりもだいぶ後ろの方まで手を引いてフォアハンドハイボレーを打っている事もありますが、ほとんどの場合、それはここで紹介している下回転がかかるハイボレーではなく、テニス通で「フラットハイボレー」と呼んでいる打ち方です。混同しないようにご注意ください。

 

ヒジはかなり伸びた状態にしてください。ヒジが曲がりすぎると、スイング軌道が乱れ、コントロールが難しくなってしまいます。ヒジは、完全に伸びきるのではなく、少しだけ曲がった状態(150度~170度くらい)が理想ですが、すでにヒジを曲げすぎて打つクセが着いてしまっている方は、しばらくの間、完全に伸ばしきって打つようにするとクセが抜けやすいのでおススメです。

しばらく伸ばしきった状態で打って、曲げすぎるクセが抜けてきてから、ちょっとだけヒジを曲げるようにするとが修正がやりやすいです。


前回の記事で説明したように「ラケットを起こす動作」を利用したうえで、腕を横から前へ回転させていきます。フォアハンドストロークとは違い、体を回転させる力は使いません。体の向きはラケットをセットしてからフォロースルーが終わるまでキープするようにします。「回内動作で直接打つ方法」で打たないように注意してください。

ボレーは高い位置ほど、適切な打点が後ろになります。高い打点では、打点が低めの時よりも更に「打ちにくくならない範囲で、打点をできるだけ後ろにする」意識が重要になります。

ヒジが伸びた状態で打てるように、打点は、体からかなり(右方向に)離れた位置にするように意識します。

下回転をかけるショットになりますので、ボールに当たる時のラケット面の向きは、ラケットの軌道よりも上を向かせます。高い打点のボレーであっても、基本的に、インパクト時にラケット面が地面と平行より下を向く事はありません

インパクト時にラケット面を斜め下の方に向かせようとすると、「手首の回転で直接打つ方法」を使ってしまう可能性が高いです。

 

スイングは、右肩の前で終わる意識で打ってください(ストレートへ打つ場合)。右肩の前まで腕が動いた後、そこまでの勢いで、腕がさらに左の方へ少し動くのは問題ありませんが、そうではなく、意識的に肩よりも左の方まで大きくスイングしてしまうとミスが増えてしまいます。

 







今回の重要ポイント

○手を引きすぎないように注意する。手は体を右方向に回した後に肩よりも前にセットするようにする。実際に打ちたい打点よりも高い位置にセットする。

○ヒジは、曲がりすぎないように注意。ヒジが伸びた状態で打つため体からかなり(右方向に)離れた位置を打点にする。

○高い位置からであっても、インパクト時にラケット面が地面と平行より下を向かないようにする。

○スイングは、右肩の前で終わる意識を持つ。