足の力を最大限に引き出す サーブの威力を上げる方法2


 

 

前回の記事では、足の力を上半身に伝えサーブのスイングスピードをアップする方法を説明しましたが、今回の記事では、どうすれば足の力を最大限まで活かす事ができるのかを解説していきます。

「サーブのスピードアップ 足を最大限に活かす」解説動画

 

 

 

まずは、ヒザを大きく曲げる

まず一番大事なのはヒザを大きく曲げる事です。ヒザを曲げない事には、足の力を使う事ができません。トッププロのサーブ時の足を曲げた状態を示した下のイラスト2つを見てみると、ヒザを大きく曲げてサーブを打っている事が分かると思います。


テニスのサーブでひざをどの程度曲げるか示したイラスト
テニスのサーブでひざを曲げる角度を示したイラスト

 

選手によってある程度差はありますが、トッププロだと両足共に90度程度ひざを曲げる選手が多いです。上のレベルを目指すなら素人でもこれくらいの曲げ方を目標としていきたい所です。

しかし、ひざの曲げ方を大きくすれば、当然ヒザにかかる負担が大きくなり、体力も多く奪われます。シニア選手の場合ですとトップレベルでもあまりヒザを曲げずに打つ方が多いので、ご年配の方でしたら、あまり足を使わずに体力を温存する方がおススメです。

 

なお、サーブで足を曲げる時には、ボールの動きに集中しているうえ、少しひざを曲げただけでもボールとの距離感が大きく変わるため、自分ではヒザを大きく曲げているつもりでも実際には少ししか曲がっていない事が多いです。

どの程度ひざが曲がっているかは自分では中々分かりにくいので、動画をとって確認してみることをおススメします。



 



両足の力を使う

片方だけより両方の足を使った方が当然大きな力を生み出す事ができますので、両足の力をしっかりと使う必要があります。こちらもできているかどうかビデオ撮影で確認してみてください。

ただ、自分のフォームをビデオで見ても、足の力を使えているかどうか判断するのは、中々難しいと思います。そこで以下のポイントをそれぞれの足が使えているかどうか判断するための目安にしてみてください。

左足の力が使えているかどうか:左半身の浮く高さで判断。特に左腰がどの位高くなっているかを見るとどの程度飛んだか分かりやすいです。トッププロだと低めの選手でも10㎝程度、高めの選手だと20㎝以上飛んでいます。

右足の力を使えているかどうか:サーブを打った後、右足が跳ね上がる動きがあるかどうかで判断。右足が使えていればボールを打った後、ワンテンポ遅れて右足が跳ね上がる動きが起きます。これは伸張反射と呼ばれる現象によるものです。

伸張反射とは、筋肉が受動的に伸ばされた時、縮もうとする反射の事です。この場合、ヒザを伸ばすことにより太ももの裏の筋肉が引き伸ばされた後、伸張反射で縮もうとするため、ヒザが勝手に曲がり、足が跳ね上がる動きになります。基本的には右足の力が強く使えているほど、右足が大きく跳ね上がります。(なお、左足の力を使っても、左足にこの動きがあまり見られないのは、着地に備えて力を入れているからです。)

足の力の大小だけでなく、その他の要素にも影響を受けるので、あくまでも目安ですが、体が全く浮いていない場合、右足が全く跳ね上がらない場合は、それぞれ、左足、右足の力が上手く使えていないと考えられます。


左足は、意識して使おうとすれば、比較的簡単に使えるはずです。難しいのは、右足の方で、こちらは意識して使おうとしても中々使えない場合が多いです。

右足が使えない原因としては、そもそも右足があまり曲げられていなかったり、一度曲げても地面を蹴るより前に足が伸びてしまっていることが考えられます。その他の原因としては、地面を蹴るより先に頭の位置が前の方に動き出し、「くの字」の姿勢が崩れてしまうことも挙げられます。

また、右足の力を最大限に使うためには、上半身の動きも足を使っていなかった時とは変える必要があります。足を使っていない場合、両肩が地面と平行のまま、上半身を回転させるのが一般的です。

ですが、これだと上半身の回転を速くするのに右足の力があまり使えません。右足の力をしっかりと役立てるには、上半身を斜めに回転させる必要があります。

インパクト時に右肩が左肩よりもかなり高い位置に来るようにしてください。これは、右足を使いサーブを速くするだけでなく、打点を高くする上でも有効です。




その他のポイント

その他の足の力を最大限引き出すためのポイントを2点紹介します。

1.つま先立ちする:カカトを上げて、つま先立ちする事でヒザを曲げやすくなりますし、打点を高くする効果もあります。

2.右足がガニ股にならない:ジャンプ直前の時点で右足がガニ股になっている(右ヒザが後ろの方を向いている)と、上半身に上手く力を伝える事ができないので、右足が真横よりも前の方を向いているようにしてください。

 

足の力を使うのには、打点を高くする目的もある

足の力を使うのには、サーブの威力を上げる以外にも打点を上げる目的もあります。打点が高ければ、フォルトせずにサーブをする事がしやすくなります。そして、フォルトが少なくなると、回転量を減らしてよりフラットに近い攻撃的なサーブを打つという選択肢も増えます。基本的には、打点が高ければ高いほどサーブは有利だと考えて間違いありません。

打点を上げる事は、足の力を使う目的としてはいけないという意見の方も多いのですが、打点が高い事は、サーバーにとってかなりメリットがある訳ですから、その考えは合理的ではないでしょう。

打点は高いほど有利ですので、足の力を使って打点を高くしていく事も意識的にやっていく必要があります。ただし、最大まで打点を高くしようとすると、スイングスピードを上げる事に足の力が活かせなくなりますので、2つの目的のバランスをうまく取る事が必要になります。

 

 

今回の重要ポイント

〇足の力を最大限に引き出すために最も必要な事はヒザを大きく(90度程度)曲げる事。自分ではどの程度ひざが曲がっているか分かりにくいためビデオをとって確認する事が大切。

〇片足だけではなく、両足の力を使う必要がある。左足が使えているかどうかは、体がどの程度浮いたか、右足が使えているかどうかは、右足がどの程度跳ね上がったかで、おおよその判断ができる。

〇その他のポイントとして、つま先立ちする事、右足がガニ股にならない事があげられる。

〇足の力を使う目的は、スイングスピードを上げる事と打点を高くする事の2つ。この2つのバランスを上手く取る必要がある。