構え(レディポジション)のやり方・基本




レディポジションのやり方 解説動画



今回の動画では、レディポジションのやり方について解説していきます。

レディポジションとは、相手がショットを打ってくる前に取っておく構えのことです。
(定義にブレがあり他では他の意味で使われることもあります。)

レディポジションからスプリットステップと呼ばれる小さなジャンプをすることで、より速く動き出せるようになります。



レディポジションのやり方

それではここからレディポジションのやり方について解説していきます。

より具体的になるように各関節の角度を数値を挙げて紹介していきますが、プロレベルでも選手や状況によって角度は多少違いますので、これらは目安と考えてください。

足幅は肩幅よりも広く取るようにしてください。


両足の間の角度は90度程度です。


意識の上では、「動きにくくならない範囲で、できるだけ広めに取る」つもりくらいで、丁度いい間隔になりやすいかと思います。


上半身は地面と垂直よりも30度程度前に傾くようにしてください。

上半身を地面と垂直に保っているとヒザを曲げるのにすごく筋力が必要になります。ヒザを曲げるとすぐに疲れてしまう方は、前傾姿勢ができていない可能性が高いです。
その他にも動き出しを速くしたり、低いボールに対応しやすくなるというメリットがあるので、前傾姿勢を取る事は非常に大切です。

よく「上半身を常に地面と垂直に保つように」というアドバイスを聞きますが、プロレベルでそのような事をしている選手はおらず、これは明らかな間違いと言えます。


ヒザを大きく曲げます。角度は110度程度です。


プロの中でもやっていない選手もおりますので、必須レベルではありませんが、テニス通ではやや内股にすることをオススメしています。ここで言う内股とは、ヒザの向いている方向を、つま先の向いている方向より内側に向けることです。

分かりやすいように大げさに内股にしたのが左の画像です。実際には右の画像くらいのわずかに内股にしただけで問題ありません。

内股にすると、ヒザが途中でそれ以上曲がらなくなるポイントができるため、ヒザを曲げすぎることが無くなりますし、動きが制限されることで、再現性が高まると考えられます。


お尻を後ろに突き出します。


左手をラケットに添えておきます。
現代のテニスでは、打ちたいショットによってグリップの握り方を変えることが必須になっていますが、左手も使う事で握り変えがしやすくなります。


ややバック側よりにラケットを傾けます。


猫背にならないようにします。


じっと止まったままにするのではなく、足を使って上下に小さく体を動かし続けるようにします。


体を全体的に前寄り(前重心)にし、つま先側に体重を乗せるようにします。

カカトは一瞬地面に着くことがあっても問題ありませんが、ずっと地面につけっぱなしになってしまうのは、良くありません。

意識としては、足の裏が地面と接触している面積をできるだけ小さく、大きく接触している時間をできるだけ少なくするようにしてみてください。



これらのことができているか確かめるためには動画を撮って確認するようにしてください。
自分の感覚だけでは、実際どのような姿勢になっているのか判断するのは困難で、自分で思っているものと大きくズレてしまっている可能性が非常に高くなります。




限界まで重心を低くする訳ではない

よく「できるだけ姿勢を低くするように」、「限界まで重心を下げるように」といったアドバイスを聞きますが、それは言い過ぎで、低ければ低いほど良いというものではありません。

プロレベルの選手も限界まで低い姿勢をしていないことは明らかで、できるだけ上半身を前傾させたり、ヒザを曲げたりなどしている訳ではありません。


姿勢が低いとショットが安定すると思われがちですが、これは明らかな間違いで、姿勢の低さと安定性には直接的な関係性はありませんし、低すぎる姿勢では体力も無駄に消耗することになります。


初心者の方の場合は、できるだけ姿勢を低くする意識を持っても、実際には十分ではないことがほとんどですので、そのような意識でも問題ありませんが、何年も姿勢を低くすることだけを目指しているとやりすぎてしまう可能性が高いので注意が必要です。



サーブリターン時の姿勢は別物。


サーブリターンの際に、相手がサーブを打つ前に待っている姿勢も「レディポジション」と言われる事があるのですが、これについては、今回紹介した「レディポジション」とは、別物です。テニス通ではサーブを待つ姿勢はレディポジションとは呼びません。)

レシーバーは、相手がトスの動きを始めるまでは、待っているだけの状態ですので、その際の姿勢自体にはあまり重要性はありません。そのため、プロレベルでも選手によって姿勢にかなりの違いがあります。

中にかなり大きく前傾している選手や、ヒザを大きく曲げる選手がいるのですが、それらの写真を使って、ラリー中にその姿勢を取るようにという明らかに間違ったアドバイスが意外に多くあるので注意が必要です。