足の力を使って上半身の回転を速くする方法 足を使ってサーブを速くするには part 1




足の力を使って上半身の回転を速くする方法 足を使ってサーブを速くするには part 1

 

今回の動画では、足の力を活かしてサーブのスイングを速くする方法について解説していきます。

足の力を活かす方法は、抽象的に解説されることがほとんどで、よく分からないという方が多いのでは無いでしょうか。

この動画では、足の力を活かす方法をしっかりと「具体的」に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

足を使うようにすると、使わなかった時よりも難易度がかなり上がりますので、足を使わずに、ある程度サーブが安定して打てるようになってから、足の力を使う練習を始めるようにしてください。


足のエネルギーを活かすためには、地面を蹴り始める直前に、地面を蹴るだけで上半身が回転する姿勢をあらかじめ取っておく必要があります。足の力で上半身の回転速度を上げると、上半身が腕を前に引っ張る力が強くなり、結果としてサーブの速度も上がります。

ヒザを伸ばしている途中や、伸ばし終わった後に何かをする事で足の力を活かせると考えている方が多いと思いますが、実際には、そうではありません。ヒザを伸ばす前に、この姿勢が取れていないと、どれだけ頑張ってヒザを伸ばしてもスイングスピードを上げる効果は、ゼロになってしまいます。


逆に、上半身に回転を起こす事ができる体勢をあらかじめ取っていれば、ひざを伸ばすだけで自然と上半身にエネルギーを伝える事ができます。


具体的なやり方の解説に入る前に足の力を使うメリットとデメリットを紹介します。


メリット
打点を高くすることができます。
スイング速度が上がり、ショットの速度や回転量を上げることができます。


デメリット
体力をより多く消耗します。
動きが複雑になる分、コントロールは悪くなります。


総合的に判断すると、順当に上のレベルを目指すなら、足を使ったサーブを習得することはほぼ必須だと言えます。
しかし、年齢が上がるほど、メリットよりも体力を消耗するデメリットが上回っていきますので、シニアの方などであれば、あえて足を使わず、体力を温存するという選択肢も悪くありません。


 

 



足の力による上半身の回転には、大きく分けて「横方向」と「縦方向」の2種類があります。


まず、上半身を横に回転させる姿勢のポイントを説明します。重要なのは、足のつま先と上半身の向きの差です。特に前にある足の方が重要になります。
足が前の方を向いていて、上半身がそれよりも後ろの方を向いている事が必要になります。

この状態で足を伸ばせば自然と後ろの方を向いていた体が前の方を向いていく、「上半身の横方向の回転」が起きます。

このようにしても体が回転しない場合は、上半身の筋力を使って体が回らないようにしてしまっている可能性が高いので、筋肉をリラックスさせるようにしてください。


つま先と上半身の向きあまり変わらない状態で、ヒザを伸ばしていっても、体の横方向の回転は起きません。


次に、上半身を縦に回転させるためのポイントを説明します。上半身を縦に回転させるためには、体を「くの字」にする必要があります。

ヒザを前に突き出し、頭の位置をヒザの位置よりも後ろにする事で、足、ヒザ、頭を結んだ線が、ひらがなの「く」の形のようになります。


なお、ヒザではなく、コシを突き出しても問題ありません。

トッププロの間でもコシを突き出す選手とヒザを突き出す選手の両方がおり、例えば、ラファエル・ナダル選手はコシを前に出すタイプで、ノバク・ジョコビッチ選手やロジャー・フェデラー選手はヒザを前に出すタイプです。

コシを突き出した場合は、足、コシ、頭を結んだ線が、くの字になるようにします。


体をくの字にした状態で足を伸ばすと、上半身が勝手に前に起き上がり、縦方向に回転することになります。

このようにくの字ができていない姿勢から地面を蹴っても体の縦の回転が起きないため、スイングを速くすることができません。


なお、この「前後にくの字」に加えて 、上半身が左に傾き、ヒザが右に突き出る「左右にくの字」を作ることもできます。


前にある足のももの傾きに合わせて上半身も同じくらいの角度に傾けるように意識するとやりやすいかと思います。背中を反っていると思われがちですが、反る必要はありません。

この状態でヒザを伸ばすと上半身が右方向に起き上がります。

右方向に腕が引っ張られることになるので、前方向よりにラケットを振るフラットサーブでは、方向が違いすぎるため、あまり効果はないと思われますが、横方向よりに振るスピンサーブなどでは、スイングを速くする効果が大きいと考えられます。


こちらは、トッププロレベルでもやっていない選手も多いので、前後にくの字よりは重要性が低いと考えられますが、スピンサーブを打つ方であれば、左右にもくの字にすることをオススメします。


重要なのは地面を蹴り始める「直前」の姿勢で、一度正しい体勢を取れていても、足のエネルギーが伝わる前に、その体勢が崩れてしまっては、最初からできていないのと変わらなくなってしまうのでご注意ください。

地面を蹴るより先に上半身が前を向いてしまったり、頭の位置が前の方に行ってしまい「くの字」の姿勢が崩れてしまったりすると足の力を活かせなくなってしまいます。


足の曲げ伸ばしにより、頭の位置と向きが変化していくことになりますので、ボールとの距離感が常に変化することになりますし、前後左右の感覚も分かりにくくなります。

また、今まで地面に足が着いていたことで、動きがある程度制限されていたのですが、ジャンプするようになる事で、動きの自由度が高くなり、制御するのがより難しくなります。

総合的に考えると、足の力を活かしてサーブを上手く打つための難易度はかなり高く、相当な練習が必要になります。中々上手くいかなかったとしても焦らず練習を重ね、足を活かしたサーブを習得して頂ければと思います。